大判例

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最高裁判所大法廷 昭和33(あ)1844 判決

房株式会社の所有に属するものであることは記録上明白であり、その所有者である

第三者に対し告知、弁解、防禦の機会を与えることなく没收することは憲法上許さ

れないことは当裁判所の判例とするところであるが、被告人Bは第一審当時本件貨

物の所有者である右会社の代表取締役であつたことが記録上明らかであるから、右

会社は実質的に本件没收につき告知、弁解、防禦の機会が与えられていたというべ

きである。しかし、行為当時の代表者は同被告人でなく、当時の代表者が関税法一

一八条一項一号に該当するか否かにつき何ら審理判断することなく、本件貨物の没

收の言渡をなした第一審判決およびこれを是認した原判決は違法たるを免れない(

昭和二六年(あ)第一八九七号、同三二年一一月二七日大法廷判決(C事件)、刑

集一一巻一二号三一三二頁参照)。

また、追徴については、被告人らは全然本件貨物の所有者でなかつたこと記録上

明白であるから、被告人らに対して没收に代わる追徴の言渡をすることは許されな

いものと解すべきである。その理由は昭和三四年(あ)第一二六号、同三八年五月

二二日当裁判所大法廷決定において述べた私の少数意見と同一であるから引用する。

よつて原判決及び第一審判決はこれらの点につき破棄を免れない。

追徴の点に関する裁判官山田作之助の少数意見は次のとおりである。

わたくしは、関税法一一八条所定のいわゆる犯罪貨物の没收に代わる追徴は、被

告人がその貨物につき、所有権を有した場合に限つて科せらるべきものと解するか

ら(その理由は、昭和二九年(あ)第五六六号、同三七年一二月一二日言渡大法廷

判決において旧関税法八三条の追徴の規定につき述べたわたくしの意見と同趣旨で

あるからこれを引用する。)、本件において起訴されていないA冷房株式会社(被

告人らはその代表者または従業者)の所有であつた貨物につき、被告人らに対して

没收に代わる追徴を言い渡した原判決は違法であつて破棄を免れない。

昭和三八年五月二九日

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最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 大 助

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官池田克は退官につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

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